コンサルティングファームといいますと、今でもどこにオフィスを構えるかは極めて重要な事項の一つであり、多くのコンサルティングファームは非常に立地に気を使っているというのは足元でも厳然たる事実といえます。
しかしフリーコンサルタントの場合果たして同様の発想で好立地のオフィスを構える必要があるのでしょうか?今回はそんなフリーコンサルタントの事務所について考えてみたいと思います。

■結論から言えばいまやそういう時代ではなくなっている
まず、近年のフリーランスの労働環境というのは大きく変化しつつありあます。人口減少と高齢化が一緒にやってくる日本では働き方改革も進もうとしておりテレワーカーのような仕事の仕方も非常に広がりを見せようとしています。
なによりフリーランスの労働市場は年間20兆円、ざっとGDPの4%程度を占めるようになっており、従前からの堅苦しい労働形態をいうものは大きく払拭されようとしているのが現実です。確かに企業は依然としてオフィスの立地などが信用と安心、一流といったイメージに大きく影響を与えている状況ですが、もはやフリーランスにはほとんどそういうことは問題にならなくなりつつあります。
また業務委託契約を結ぼうとする企業側もどこにオフィスがあるかということは気にしません。とくにコンサルはクライアントサイドで働くことが基本になりますので、フリーランスの中でもとりわけ事務所を構えていることには大きな意味はなくなりつつあるのです。

名ばかりのオフィスの立地にこだわるよりも実績が重要

国内では依然として好立地に名ばかりのレンタルオフィスを構えてスタートアップを行う企業が多いことは事実ですが、実際に利用価値もなくほとんどひとりで動き回るフリーランスコンサルタントはそうした見栄えを気にするよりもむしろ実績や考え方、人となりのわかるような材料をしっかりとそろえることのほうがより重要な時代になってきているといえます。
たとえばホームページを開設して、どのような実績があるのかを語ったほうが一等地に形ばかりのレンタルオフィスなどを構えるよりもよほどビジネスになると考えたほうがいいのではないでしょうか。
そもそもフリーコンサルのオフィスに期待するクライアントもいませんし、クライアントが出向いてきてミーティングを行うということは想像以上に少ないものです。テレワーキングという労働形態が定着するにしたがって多くの企業がロケーションというものに対する固定観念を大きく変化させているのは事実です。

フリーランスコンサルもそうした事務所の立地に無理をして余分はコストをかけることはそろそろやめてもいいのではないでしょうか。クライアントも意味のない高い事務所費用をかけるよりはその分コンサルフィーを負けてくれるフリーランスのコンサルに期待する時代になっているといえます。

とんでもない僻地でないかぎり自宅を所在地にしても問題なし

一般的には自宅をオフィスとして住所記載してもまったく問題はありません。
むしろクライアントが気にするのは源泉徴収が必要な完全な個人なのか、一応法人となっているかのほうがより仕事を受ける意味では重要です。
さすがに仕事ができないような僻地に自宅があるというのはまずいでしょうが、それ以外で常識的なレベル、つまりクライアントサイドの従業員も普通に出勤してくるようなエリアに自宅があり、そこをオフィスにしている限りは特段問題にはなりません。
ましてネットの業務紹介サイトなどから仕事を供給されている場合には、本当にフリーコンサルはオフィスを必要とはしません。パソコンとネット接続できる機器と本人の頭脳があれば、なんの遜色もなくビジネスができるのがコンサルの強みなのです。