機械学習の仕組み、Tensorflowとは【2018.3.20】
人工知能に対する社会と市場の関心が高まりを見せる中にあって、機械学習や深層学習を活用した実践的な業務上のAI利用に対するニーズはこれまでにないほど広範な広がりをみせていますが、足元のマーケットではTensorFlow(テンソルフロー)と呼ばれるソフトウエアライブラリの利用に注目が集まりつつあります。
今回はこのTensorflowについてご紹介してみることにいたします。
■Tensorflowはグーグルが開発した機械学習ソフトウエアライブラリ
TensorflowはGoogleが2015年に開発した機械学習のソフトウェアライブラリの名称です。
ライブラリというとどこかにそういう施設があるのかと思われるかも知れませんが、これはプログラム開発でよく利用するコード等主要な部品をまとめてファイル化し提供することをこう呼んでいるのです。
このTensorflowはすでに機械学習を超えてニューラルネットワークの構築、訓練ができる本格的な深層学習(ディープラーニング)のシステム要求に対応できるサービスレベルであることが最大の特徴といえます。
Tensor(テンソル)とは線形的な量を表す概念を一般化したもので、多次元の配列として表現できるものなることからまさに深層学習・ディープラーニングを実施することのできるライブラリなのです。
Tensorflowの利用範囲
Tensorflowはデータの読み込み、前処理、計算、状態、出力といった処理に対してテンソルを扱っていることからデータフローグラフを構築して処理が可能であるということから、分散学習も可能になります。
現状では、Tensorflowは画像認識に利用されるようになっており、グーグルサービス内では写真の画像検索や音声認識技術に実際に利用されています。
また翻訳にも利用されはじめています。グーグルの社内ではニューラルネットワークを利用して音楽の作曲や美術の作画などにも利用する試みがスタートしており、今後Tensorflowが利用できる領域、ジャンルといったものはさらに広がりを見せることが予想されています。
また外部のクライアントでもこのサービスを利用して新たなAIの利用に取り組む企業が増え始めており、グーグルは大きな座を築こうとしていることがわかります。
またTensforflowの能力を最大限に活かすために利用するハイスペックなハードウエアの選定などについてもクライアントニーズが高まりをみせつつあります。
AIの利用はコンサルの領域でも大きな成長分野へと発展
概要を書いただけでもTensorflowの可能性が感じられますが、このAIのディープラーニングといった領域は既存の企業内にもっともエキスパートが存在しない領域であり、テクノロジー面だけでなく具体的な利用を想定した局面でもビジネスコンサルティングとしてのニーズが非常に高まりつつあるエリアになってきています。
当面はTensoflowのように特定のソフトウエアライブラリを担ぐことで知見を増やしていくことがケイパビリティを高める近道となりそうですが、今後は複数のソフトウエアやシステムを俯瞰して比較しクライアント視点でパッケージセレクションを行うことができる目利き感といったものも要求されることになるものと思われます。
したがってTensorflowをベースとしながら異なるサービスが他者から登場したときには常に比較しながら把握していくようにしますとこの領域での短期間の知見の積み上げができるようになるのではないでしょうか。
AIについてはIBMが先行して市場開拓をしていますしシリコンバレーのみならず中国でもアリババを中心にいくつもの企業が投資を始めている状況です。
残念ながら国産のAI、ディープラーニングがもっとも市場から遅れをとっている状況です。
まずは先行企業のサービスをしっかり理解・認識したうえでこの分野の専門性を高める努力をしていくことを考えていきたいものです。
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