GAFA(グーグル、アマゾン、ファイスブック、アップル)の特徴
これまで米国の株式市場をけん引してきたハイテック銘柄はFAANGなどと呼ばれてきましたが、ここへきて世界でもっとも影響力のある企業となっているのがGoogle, Apple,Facebook,Amazonの4社でこれを称してGAFAとよぶようになっているのです。
2018年10月の株の暴落以降米株市場では必ずしも市場をけん引しなくなっているという見方もありますが、強欲な投資家が少しでも先行き見通しがあると株を売り飛ばすという悪習慣によって時価総額が下がる局面も確かにありますが、この4社は近未来のテクノロジーに対する投資も旺盛でこれからも大きく世界を作り変える存在になりそうな状況となっています。the four GAFA – 四騎士が創り変えた世界というスコットギャロウェイの著書が登場したこともGAFAという存在を強く市場に印象付けることに一役買っているようです。
4社に共通するビジネスモデルは何か?
この4社はドメインとするビジネスエリアはかなり異なるものの、足元では圧倒的な利益率と売上をしっかり確保する企業であるという点はかなり共通しています。また米国というローカルではじめたビジネスでありながらきわめて短期間で世界的にそのビジネスモデルを何の躊躇もなく展開して成功したという点も大きな共通点といえます。
たとえば国内のLINEやメルカリを考えますとどちらも確かに非常に成長力のある企業ではありますが、GAFAと同様に短期間には世界的な企業には成長しておらず、こうしたところにもGAFAが極めて強い力を持っていることが窺えます。
■生活のインフラ的ポジションを占めているのもGAFAの大きな特徴
気がつくとこのGAFAは悉くインフラの一部となりつつあり、世界的に我々の生活はGAFAへの依存度が高くなっています。
この中ではアマゾンの通販は米国が圧倒的で日本にも浸透してきていますが欧州圏はまだまだ成長の余地が残されていますが、それ以外の3社についてはもはや多くの人たちがプライベートな世界にこの4社が入り込んでくるのを結果的に非常に無防備に許す形になっているのも共通点といえます。
金融の世界では2000年のITバブル崩壊後アマゾン株などは75%近く下落するなど散々な状況でしたが、個別のGAFA企業はその間もしっかりと成長し世界的に揺るぎない地位を確立するようになってきています。
現在では4社ともにレベルはそれなりに異なりますが業界内では圧倒的な財務体質をもって各方面に多角的な投資ができる存在になっているのも共通特徴といえるのではないでしょうか。
今後GAFA同士の戦いも進む可能性大
ただし、ここまで肥大化した4社は実は互いに敵対関係に陥りつつあり、この先の戦いはGAFA同士で行われるリスクが非常に高まりつつあります。
GoogleとFacebookはネット広告の精度で互いに争う存在となっていますし、何よりそのバックエンドで顧客のデータを販売領域での競争関係が激化中です。
グーグルとアマゾンはすでにスマートスピーカーの領域では完全に競合しはじめていますし、なによりAWSをはじめとするクラウドの世界では完全に競争関係にあります。表面上で切り分けられてきたビジネス領域は随所でぶつかり合うようになっており、さらに熾烈な競争を繰り広げることが考えられます。
とくにAIやロボティクスの領域ではそうした厳しい状況がいよいよ顕在化することになりそうで、ビジネスコンサルタントとしてはこの4社のビジネスモデルとドメインの変化については相当詳しくなっても損はない状況になりそうです。