コンサルに向く人向かない人というのはなかなか見分けるのが難しいものがありますが、新卒で働き始めてみると結構向かない人というのが顕在化してきて結局去っていくケースが多いこともまた事実です。
まず向く人のほうから考えますと論理的に物事を考えられることはどんな性格と知見の持ち主でももっとも重要です。また論理的な思考の持ち主でもただ理屈っぽくて独善的・排他的ではコンサルとしてのビジネスにはなりません。
人とのコミュニケーションが一定以上得意である必要もあると思われます。さらに与えられた条件の中でフレキシブルにベストな方法を考えていくという比較的素直な性格である必要もあるのが事実です。人事や採用を担当するパートナーレベルの人たちがこうした要件を面接でどうやって見抜いているかは明確には判りませんが、うまい志望動機を言ったからまんまと入社できるというものとはちょっと異なる視点を感じます。

アクセンチュアでは3つの価値で人と評価

米系大手のコンサルティングファームの一角を占めるアクセンチュアでは、 バリュークリエーター、ビジネスオペレーター、ピープルディベロッパーという3つの評価的側面から従業員を評価してきました。
現在ではオフショアのアウトソーシング関連で務めるひとなども多いですしバックオフィスの人員もいますからすべてがコンサルタントではありませんが、この3つのバリューは当然コンサルにも適用になっています。まずバリュークリエーターは常に業界で新しいことを考えて取りまとめ市場をけん引していく、いわばThought Leadershipを担う人材のことを言います。

どれだけ賢いコンサルが集まっていてもすべてがこうした役割を担うのは難しいわけで、あくまでこれは3つのうちのひとつの評価軸となっています。またビジネスオペレーターは与えられた環境の中で最も効率的に業務をこなしていく、確実に業務をさばいていくタイプです。
これはプロジェクトにも必要なかなり重要なタイプでこの手の人がいるからこそプロジェクトがオンタイムで前に進んでいくことになるのです。さらにピープルディベロッパーは自らの能力発揮もさることながら積極的に周辺や目下の人材にスキルトランスファーを行い全体のレベルと高めることに貢献できるタイプのことを言います。
もちろんこれがすべてとは言いませんが入社後の評価軸がこの3つから構成されている以上採用でもその視点が働いていることは間違いなく、少なくともこの評価の枠組みに当てはまる人がコンサルに向いている人といえるのではないでしょうか。
コンサルだから全く同じ要件を満たさなくてはならないというよりは粒ぞろいでありながら粒違い感のある人材が求められていると言えます。

コンサルに向かない人材はこの評価軸に引っかからないタイプ

こうして考えてみるとコンサルに向かない人というのはこの評価軸の逆に存在するタイプであることがわかります。
新な価値を生み出す存在でなし、業務をきっちりこなしていく才覚も発揮しない、さらに人を育てる存在でもないとなると完全にお呼びでない可能性がでてくることになります。 このコンサル業界同業者の横の転職も多いですからこうした評価軸は少なからずコンサル業界全体に通じるものがあるのではないかと思われます。
ただ冷静に考えますとどんな業界でも少なからずこうした評価軸は重視する傾向があることも確かですからコンサルに向かない人というのは単にもともとのレベルが低い人であったりする可能性も否定できません。

コンサルとなると一定の評価のベンチマーク上に載る存在となりますがあくまで接するのは民間企業であったり官庁であったりしますから特異な存在ではありません。
当たり前の対人能力を発揮することが重要であることには変わりないわけで、ある意味では非常にバランスのとれた人材こそが向いているタイプと言えるのかもしれません。