コンサルタントの転職事情
国内における転職市場は既に少子高齢化の影響が確実に顕在化しており、慢性的な人手不足の影響もあってかコンサルタントの転職に対する需要は引き続き旺盛な状況になっています。
ただし専門職ということもあり、どのような知見や実績を持っている人物かによって市場の引き合いは微妙に異なるものとなっているのが実情となっており、驚くほどの引き合いがあるような転職者も多くなっているようで、少し前と比べてもその状況は変化していることがわかります。転職希望者の能力次第で魅力的な仕事を探すことが容易になってきているといえます。
■コンサルからコンサルへはスムーズな転職
まずコンサルタントでもっとも引き合いが多いのは同業界でのいわゆる横滑りの転職です。同じ業界でやっていることもほぼ同じ領域での転職ですから職位が上がることも考えられ、報酬も今の仕事よりも増えるといったことが期待されます。
こうした転職の場合にはレジュメにこれまでの実績をしっかり記載しておけば、同じ業界の人間が精査しますのでニーズさえマッチすればかなり早い期間で転職が可能になりますし、希望通りの職位につくことも決して夢てはない状況です。キャリアパスとしても非常にわかりやすいのがこのタイプの転職となります。
ただ、それだけにスペック的に転職先が求めているものとマッチするかどうかはかなり厳しくみられることになりますから、同じERPの知見があってもSAPとオラクルでは大きく異なりますし、それぞれのソリューションのSI等にかかわってもどの業界なのか、どのモジュールに詳しいのかといった部分をチェックされることになり、ニーズの非常に多い分野とそうでもない分野に分かれることがある点には注意が必要です。当然のことながら包括的な知見と専門性を有していることが大きなインセンティブとなることは間違いないようです。
RPAやIoT、AIといった新分野は引く手あまた
同じコンサルティングの職種の中でも業界でまだエキスパートが多く存在しない新しい分野のエキスパートについては当然のことながら強いニーズがあります。
とくにRPA、IoT、AIといった全く新しい領域で先行した知見や導入実績などがある場合には他者との非常に明確な差別化ポイントとなることからかなり注目される人材となりそうで、これからは新しい分野の知見を早期に確立していることは転職時にも大きなセールスポイントとして機能することになりそうです。
異業種への転職
コンサルタントから事業会社、メーカーなど異業種への転職に対するニーズも活発です。多くの企業はその取り巻く競争環境や事業環境そのものが劇的に変化しつつあり、必要は知見をもった人材が社内には見当たらないといったことも多く起き始めています。
たとえば自動車メーカーでは車に対する知識よりもITやAIに対する知識を有した人間を積極的に探しており、従前からの給与体系とはことなるインセンティブを提示することで必要人材を獲得するといった動きも見られます。したがってこちらも獲得企業にとって必要不可欠な知見を有しているかどうかがかなり大きなポイントになりそうです。
全般的に多くの企業は必要な人材を確保することができない状況にありますので、従来では考えられないほど中途採用を重視する傾向があり、売り手市場を考えることができます。もっとも重要なのは採用企業が何を求めているかで、それにマッチしたケイパビリティを発揮することができれば、かなり短期間にスムーズな転職を実現することができるのではないでしょうか。こうした状況は今後も延々と続く見通しで、コンサルタント経験者にとってはかなりプラスに働く状況と思われます。
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