事業計画書の作成の注意点
以上の項目についてわかり易く触れられている事業計画書を書いてみることが必要になります。
こうした事業計画書を書くためには、いきなり書き始めるのではなく、これまで検討されてきたことを一旦すべて書き出してみて要旨をまとめていくことからはじめることが必要となります。
こうしたプロセスを経ることにより、コアな事業部分に対する考え方がより明確になり、コンセプトや差別化ポイント、収益性などを強調していくことができるのです。特に一般人がまとめる事業計画書は思いだけが先走りすぎてしまい客観性を失ったものになりがちですから、プロのコンサルはそれをしっかりとサポートした冷静、かつ包括的で第三者が見てもわかりやすい内容に仕上げることが必須となります。
フォーマットにこだわる必要はないが概要がひと目で理解できること
人に理解されるためには、わかり易く、しかもポイントをしっかりと訴求した内容となることが必要です。
フォーマットにこだわる必要はありませんが、その内容がひと目でわかるまとめ方は重要です。
詳細な事業計画案はこの事業計画書をもとに策定していくことになりますから、書類として一人歩きしてもしっかりとその内容が伝わる必要があるのです。
企業内での事業計画書であっても外部の金融機関から資金を調達するためにはこうした事業計画書を提示することが必要になります。こうなると通常の起業とまったく同じで、収益性や事業の将来性などがしっかり分析されている必要があるのです。
コンサルがかかわる場合事前のフィジビリティスタディ実施も重要
コンサルタントが企業からの依頼をうけてまとめる事業計画書の場合には、単純にクライアントの言われるままにまとめるというだけではなく、もう少しプロフェッショナルな視点で客観性をもたせた内容に仕上げることが必要となるのはいうまでもありません。
たとえば参入しようとする事業の市場規模や将来性の取りまとめ、さらにそれに参入した場合の事業採算性(フィジビリティスタディ)を厳密に計算することも必要になります。どこの企業でもこうした点についてはそれなりに分析を行っていることと思われますが、やはり発想が安易であったり参入ありきで前のめりの計画になっていることが多いのもまた事実で、プロのコンサルがかかわる限り、こうした点にいかに客観性を見出すことができるかが多きなポイントになるのです。
事業計画書の策定にかかわっただけではその後事業がうまくいかないからといって責任を問われることはありませんが、少なくとも信頼できる相談相手の座を維持するためには、正当性や客観性をどれだけ提供できるかが重要になる点はしっかり認識しておく必要があります。
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