戦略コンサルや業務コンサルとしてやっていくためには実に様々な能力を必要とすることは言うまでもありませんが、その中でも特に重要な必須のスキルにはどのようなものがあるのかについて今回は考えてみたいと思います。

■ロジカルシンキングはまず基本中の基本
まず、戦略、業務コンサルタントはロジカルシンキングができることが必須の要件となります。これは最初からできなくてもしっかり訓練してロジカルな発想ができるようになれば問題のないことです。
いかに物事を合理的に理解するかというのは事象を正確に分析して方向性を見つけ出す戦略、業務コンサルタントには仕事の上で必要不可欠なスキルということができます。論理的な思考術には実に様々なアプローチがありますが、しっかりと自分でロジカルシンキングができないと思われる方はまずこの領域において一人で論理的に完結できるような思考法を身に着けることをお勧めしたいと思います。

ものごとを俯瞰から構造的に理解する力が重要

論理的に物事を考えることとも一脈通じることが多いものとしてもう一つあげられるのが、ものごとを俯瞰から構造的に理解するというスキルです。
ITの領域では既に自前のハードソフトだけを駆使してオンプレミスでシステムを構築する世界からクラウドを利用する世界へ一大変化が起きており、利用者はシームレスに何も気にすることなく利用できてもシステムを設計し実装するサイドは自らの持ち物とクラウドとをいかに連係して利用するかが非常に重要になってきているのです。
したがってユーザー視点も必要ですし、なによりサービスの全体を俯瞰から構造的に理解できる能力を益々求められる時代が到来しているといえるのです。これからの戦略コンサル、業務コンサルは部分最適に務めるのではなくトータルのプロセス、システムでのコンシステンシーや効率性、スケーラビリティといったものを認識できる力が強く求められるようになっているといえるのです。

コミュニケーション能力の高さは最も必要なスキル

さらに、戦略コンサル、業務コンサルに強く求められるスキルとして欠くことができないものとなるのがコミュニケーション能力です。
コンサルというのは自分で勝手に発想するのではなく、あくまでもクライアントが置かれた状況を正確に理解、分析し、一定の方向性を導き出さなくてはなりません。そのためにはクライアントの内部の多くの人たちと円滑にコミュニケーションを行い、必要な情報や状況を的確に抽出してくる力が求められるのです。これを実現することができるのはまさにコミュニケーション力ということになります。 また提案を行い、成果物を提出して説明する場合にもいかに内容を相手に理解させるかという点でコミュニケーション力が重視されることになります。Cクラスと呼ばれる経営層ともしっかりコミュニケーションがとれ、意思の疎通をはかることは非常に大切なスキルになるわけです。

こうしたコミュニケーション能力を高めるためには日常的に意識して、どのようにものを伝え、話を聞きだすことが効果的なのかを常に探る必要があります。人は実に様々ですから、この領域ではとにかく百戦錬磨で自ら力をつけるという不断の努力を行うことが重要になるのです。

このようなスキルを身に着けるというのは大変なことに思われますが、冷静に考えてみると人の話をしっかり聞いてくれ、整理能力が高く、信頼できる存在であるという当たり前のことをイメージ的に醸成することが極めて重要であることがわかります。安心して仕事を任せられるコンサルタントらしさというものは実はなによりも大切であり、人に好かれるということも実はコンサルタントとして成功を収めるための大事な要素となっていることを忘れてはなりません。