タックマンモデルとは20世紀の心理学者タックマンが提唱した考え方で、チームビルディングを考える上で今でも多くの組織が利用しているものです。
今回はこのタックマンモデルについて概要をご紹介します。
■そもそもタックマンモデルとは・・
タックマンモデルはその名のとおりB.W.タックマンが考案したチーム・ビルディングによるチームの状態を4段階で表現したものです。この4つのプロセスとは以下のようなものになります。

プロセスチームの状況
Forming 形成期チームメンバーが決定したチーム目標、課題共有する時期
Storming 混乱期チーム課題を解決するアプローチを模索する時期
Norming 統一期チームの役割分担が形成される時期
Performing 機能期チームとして機能し、成果を生み出す時期

具体的に4つのプロセスをご紹介すると以下のようになります。

(1)Forming 形成期について

プロジェクトが立ち上がり、チームメンバーが集められた状況がいわゆるForming・形成期と呼ばれる時期になります。
チームメンバーはお互いのことをよく知らない状況であり、うまくやっていけるか、どのように進めていくのかといったことに不安を覚える時期でもあります。
この最初のプロセスではチームリーダーには集まったメンバー全員にプロジェクトの趣旨を説明し、十分に参加者の理解を得たところで具体的な指示を出しながら仕事を進めていくことになります。

(2)Storming 混乱期

プロジェクトは開始当初チームとしてうまく回らない時期に直面することになります。参加者はとにかく自分の仕事にかかりきりになりますからチームとしての連動性や協調性などは一切発揮されない時間帯にさしかかることになります。
これをStorming 混乱期と名付けています。端的に言えばチームワークが発揮されない時期がこれにあたることになります。このプロセスではリーダーは参加者相互の仕事やお互いの人間性といったものをできるだけ理解できるような活動を促すことになります。
これは業務だけではなかなか解決できないものとなりますので、会食をおこなったり飲み会を開催したりといった気分転換の場を設定することで参加者相互のコミュニケーションが進むような活動を行うのです。
こうした場の頻度が増えれば個別に参加者の性格や考え方、仕事の癖などがわかるようになりますので徐々にチームを形成することができるようになるのです。

(3)Norming 統一期

個別のメンバーの仕事が順調に推移するようになれば余裕が出て他のメンバーの仕事の状況をお互いに把握することができるようになります。
これが統一期と呼ばれる時期です。リーダーはこの時期にさしかかるとチームメンバーがお互いに助け合い、関係性をしっかり構築できるように振る舞うことが大切になります。個別参加者の仕事の状況を紹介したりすることで、よりプロジェクトに統一感を醸成していくことが重要になるのです。ここでチームとしての統一感といったものを作りだすことができればプロジェクトはかなり成功に近い状況へと進むことができるようになるのです。

(4)Performing 機能期

いよいよチームが安定してくると最後のプロセスに入ることになります。これがPerforming 機能期と呼ばれるものでチームは参加メンバーを相互にしっかりと理解することができることから、お互いを助け合いながらそのレベルを高める動きをとることができるようになるのです。
ここまでくればリーダーの役割もほぼお仕舞いで、チームメンバーに一部の権限を委譲したりすることで指示がなくてもチームはうまく稼働していくことができるようになります。まさに機能を発揮する時期ということで、大きな成果を生み出すことができるようになるのです。

そして最後にはこの表には入っていませんが、プロジェクトを解散する時期が訪れます。
よく仕上がったチームは解散が惜しいものですが、プロジェクトには必ず終了時期がついてくるのが世の常で最後を締めくくりながらプロジェクトは解散ということになります。惜しむ声が高ければ高いほどそのプロジェクトはかなり成功したということができるのです。

実際のプロジェクトではこの4つのフェーズが均等に訪れるわけではありませんから、あくまで臨機応変にプロセスを認識しながらチームをリードしてくことがリーダーに求められることになります。
この4つのプロセスはあらゆるプロジェクトに共通して使うことができることから多くの企業、組織でタックマンモデルが利用されているのです。