メディアなどではかなり話題になってきたIoTですが、実際の国内市場ではまだまだ実験段階という認識をお持ちのコンサルの方も多いことと思います。
しかしIT調査会社のIDCの直近のレポートを見ますと、国内でも積極的にIoT に対する投資がはじまっていることがわかります。
コンサルにとってもIoTは絶好のビジネスオポチュニティとなってきているというわけです。

2016年の国内IoT市場ユーザー支出額は既に5兆円超

2月にIT市場調査会社であるIDC Japanが発表した国内IoT市場の用途別/産業分野別予想によりますと、すでに2016年段階でユーザー支出総額は5兆270億に達しているとのことで、既存のITビジネスの規模から考えてもかなり大きなものになろうとしていることがわかります。国内では必ずしもIoTビジネスがスタートしているわけではありませが、やはり多くの企業がIoTの事業化に向けて初期投資を始めていることが窺われます。
IDC Japanの調査レポートによれば、2021年までに年間平均17%で成長し、オリンピック終了後の2011年には11兆237億円になる見通しであることが明らかになっています。

最近ではITのインフラ投資がかなりの部分オンプレミスでの購入、立ち上げからクラウドにシフトしてその金額規模がシュリンクしはじめていますが、あきらかにIoTビジネスは国内でもそれに取って代わる大きな材料になってきていることを改めて理解することができます。

圧倒的に足りないIoT事業企画者と技術者


今IoTビジネスをはじめようとする事業会社が共通して抱える問題が、この領域に知見をもっている社内の人間がおらず、どう育てていくかについても見通しが立っていないことです。
いきなり成熟した先進国に登場したブルーオーシャンマーケットですから、詳しい人間がいないのは当たり前の話ですが、それだけにいち早い知見を有するビジネスコンサルタントにとっては大きな利益機会が訪れていることがわかります。しかしまったく新しい領域のビジネスはコンサルタントであっても 自ら最初の1件や2件の案件に携わらなければ事業化のベストプラクティスを 得ることはできないわけですから、なかなかこの領域でエキスパートを名乗れるようになるのも難しい状況です。
できることならばコンサルティング料はある程度おまけしても早い段階でクライアントサイドのこうしたプロジェクトに係わる機会を見つけることは結構大きなポイントになりそうです。

IoTに関しては技術者がいないので事業化のグランドデザインが描けないといった大きな問題がありますが、もう一方で事業採算性(フィジビリティスタディ)の目処が立たず、どうすれば儲かるのか損するのかの目安を判断できないとする事業者も多いのが実情です。たしかに産業用IoTで日々IoT端末から送られてくるデータが膨大に集積されてもそこから生み出すサービスで得られる売り上げと収益を考えるとコストと利益のいたちごっこになる可能性はかなり高くなるものと思われます。またこの領域でAIを利用することも考えられるわけですが、こちらも初期投資の規模とその投資に見合う利益計画を算定するのはなかなか難しいもので、実験レベルでIoTに参入して様子を見てみることはあっても事業化に確信をもつのは予想以上に難しいことになってしまいます。

通常こうした新しいものがでてきた場合ビジネスコンサルはいくつかのビジネスケースを想定してそこから事業計画やコスト試算を行っていくことになるわけですが、実際に事業化をするところまでこぎつけなくてもこうしたプランニングフェーズになんらかの形で参加できる機会を早期に見つけることができるとかなりのアドバンティジになりそうです。実際に今かかわっている クライアントに一声IoTのことについて進捗状況や悩み事などを尋ねてみると意外に道が開けることになるのかもしれません。コンサルの営業としては こんな方法も考えておかなくてはなりません。