仮想化といえばサーバーやストレージの仮想化のことが想起されますが、今や クラウドの利用が非常に多くなってきた中でネットワークの仮想化も大きな話題になりつつあります。
これまでネットワークの話しというのはITの中でもとりわけ専門的な領域でビジネスコンサルが積極的に扱うべき内容とは決して言えませんでしたが、近年のクラウドの進展の中では事業を短期間に立ち上げて成功に導くためにも確実に理解しておくべき要素になってきているのです。
ここで重要になってくるのがSDNと呼ばれるネットワークの仮想化の問題です。


そもそもSDNって何だ?物理ネットワークと何が違うのか?

ITの世界は既に3文字程度のターミノロジーが飛び交いすぎて、そのすべてを正確に認識し説明できるようになるのは至難の業の領域になってきていますが、Thought Leadershipを求められるビジネスコンサルの世界ではいち早くこうしたターミノロジーの概要を認識していることがきわめて重要になります。特にクラウドの世界は今後コンサルが戦っていく主戦場となるわけですから、クライアントに聞かれて知らないでは済まされない領域になりつつあるといえます。

このSDNはSoftware Defined Networkingと呼ばれる英語の略号のことで、従来は物理的なネットワークで構築や設定をしていたものを、ソフトウエアを利用することにより柔軟に行うことができるようにした仕組みのことをさします。クラウドサーバーの利用が急激に拡大しつつあり、さらにIoTのビジネスが本格化するなかにあってはエンタープライズ系のネットワークも物理的なものではその拡大に対応しきれなくなっており、ソフトウエアを使って即時性や運用効率を高める世界が注目されるようになってきているというわけです。もはやネットワークはソフトウエアを使って統括的に最適化をはかる時代がやってきているのです。

SDNの肝はOpenFlowという技術を使っていること


このSDNにはOpenFlowと呼ばれる技術が活かされているのが最大のポイントとなります。従来のネットワーク機器では、データ転送と経路制御という2つの機能が完全に1つに集約化されていましたわけですが、仮想化が進んだことにより、ネットワーク全体を見ただけで経路選択や総合的管理を実現するこちとが極めて難しくなってしまったのです。
そこでこれを解決するためにOpenFlowという技術を導入し、経路制御のOpenFlowコントローラとデータ伝送のOpenFlowスイッチという2つの機能に分離して実装することで、総合的なネットワーク管理を実現したところが画期的な仕組みといえるのです。 このSDNは2012年ぐらいから概念としてはかなりIT業界で広がりを見せましたが、なかなか実際に利用する企業がなく、やっとここへ来て本格的に利用するエンタープライズ系クライアントが増加して一気に拡大の気配となっているのです。

物理的なネットワークというのは一旦構築して維持管理してみた方ならよくお分かりのことと思いますが、とにかくユーザーの要求に応えるためにはそれなりの人と時間がかかるのが当たり前の世界で、朝令暮改のようなニーズにはとてもではありませんがまともに対応はできない領域となっていました。しかし、SDNを利用することにより、日々刻々と変化するユーザーニーズ意に短時間かつ限られて人数で対応が可能になることから、これまでにないネットワーク管理を実現することができるようになるのです。
IoTの利用により今後益々パブリッククラウドを利用する機会が増えてきますと、こうしたネットワークの仮想化もクラウドを支える重要なソリューションとして無視できない重要な構成要素となってくることを改めて認識し、クライアントへのコンサルティングの要件に組み入れることが必要になってくるのです。ここからはSDNにもさらに注目していくことが重要です。