コンサル未経験のSEでコンサルを目指そうとする人はかなり多く、また実際にSEからコンサルタントに見事転職して活躍している人も多く目にします。
実際に働いているとコンサルファームのアナリストもSI会社のSEも能力的には大きな差はないと思われますが、ひとつ違うことがあるとすれば、コンサルファームは上流から入って戦略を立て、プラットフォームを選択していかに要件定義にマッチさせるかという視点で動いていることを少なからずメンバーが垣間見ることになる点ではないでしょうか?
もちろん、SI会社が戦略的でないとは言いませんが、とかくSEという仕事をしていますと自分の守備範囲の最適化ははかるものの俯瞰からものを見る週間がつかなくなってきてしまいます。

これは業務上そういう性格のものですから致し方ないとしかいいようがないのですが、コンサルへの転職と目指すのであればやはりこうした視点というものを重視して日常的に仕事をする習慣をつけることが重要になります。

アーキテクチャの決定要素というものを勘案してみる

通常のSEに求められない判断能力としてコンサルタントに必要なのが、アーキテクチャの決定ということになります。
ビジネスコンサルにせよ、ITコンセルにせよまずクライアントにアーキテクチャを選定してお勧めしなくてはならないわけですから、この部分をどう決定していくのかという能力をコンサルタントは問われることになります。
最近ではオンプレミスでの実装のみならずパブリック、プライベートといったクラウドのシームレスな利用も視野に入れた提案が必要になって来るわけです。
自分が絡んでいる現業のSE業務でも自らがコンサルタントならどのようなアーキテクチャを選定してクライアントに勧めるのかを考えてみるのも面白い方法ではないでしょうか。

■進捗管理をどのような体制で作りこむかも大きなポイント
SEはアサインを受けた部分だけが完璧にできていればそれ以上のことを求められないことが多いと思いますが、コンサルタントを目指すのでればSIプロジェクトの進捗管理をどういった体制で進めたらいいのかについても知見を求められることになります。
つまり将来的にはプロジェクトマネージャーとした働くことを最初から視野に入れておく必要があるのです。
現業のプロジェクトにおいてもPMと名乗る人物がこのあたりの進捗管理をどのように行っているのかはできる限り理解しておくことが役にたつことになるのです。

要件定義の実現と納期、予算の関係の把握

コンサルタントを目指す人の場合、得意先にとっての最適な納期と予算というものを考えなくてはなりませんし、コンサルティング会社としてのSIビジネスの効率性と利益率も当然意識しておかなくてはなりません。
要件定義を実現するためなら闇雲に時間がかかりコストが高くなってもいいというわけではない点も意識できるようにしておく必要があります。
こうした事項はSEをやっている現場ではほとんど意識しないことばかりであろうと思いますが、常にこの3つほどのポイントを視点として自分の業務の中で考える習慣をつけていますと、コンサルタントとしても十分にやっていける能力を身に着けることができるようになります。

現場のビジネスではこうしたことを実際に係わるのはむずかしいかもしれませんが、常に意識して働いていることが重要ですし、こうした視点でSEのビジネスに従事しているという話は面接で持ち出してもコンサルファームの人間には非常にアピールできるポイントでもあります。

あとひとつ、知見や能力とは関係ない話ですが、コンサルティングファームは昇進や昇格のスピードが速いことから外資系などでは30代中盤でパートナーになってしまうケースもあります。
したがって、中途入社からコンサルを考えるのであれば30を過ぎてからよりは20代の早いうちに決心して転職を考えるほうが様々な点で有利になることを付け加えておきたいと思います。