コンサルがロジカルシンキングを鍛えるには
ロジカルシンキングは今やビジネスパーソンが社会で成功するためには必須の基礎技術となりつつありますが、コンサルティングの世界では、もはやこれができないと存在自体が維持できないほどのものになろうとしています。しかしこのロジカルシンキングは専門書を読んだだけではなかなか身につくものではなく、日常生活から常に意識して論理的な思考を鍛える努力をして行く必要があると思います。今回はそんなお話についてまとめてみました。
日常的に論理的な思考をしているかまずセルフアセスメントしてみる
コンサルという仕事上では否が応でも論理的に物事を考えなくてはならないと思っているのが世の中のほぼすべてのコンサルだと思いますが、日常生活でも果たして論理的な思考をしているかどうかというと必ずしもそうではない人たちを結構見かけることになります。ロジカルシンキングを考えるにあたってはまず自らの対人コミュニケーションをセルフアセスメントしてみる必要があります。
最低5つの以下のコミュニケーション上のポイントがクリアできているかどうかが重要です。
・人の話しを論理的に理解できない
・つい思いつきで話しをする傾向がある
・話しがわかりにくいと同僚などから指摘を受ける
・アイデアを思いついても詳細な企画にまとめられない
・感覚的、感情的な発言が目立つ
もちろんこうしたポイントが論旨思考になるためのすべてのチェック項目となるわけではありませんが、この5つのポイントは人が他者と行うコミュニケーション上ではよく見られる状況の一部となります。どれも感覚的に生きる人にとってはよく見られることですが、冷静に考えてみるとどの項目もまったく論理的な発想からはでてこないものということができます。本来の人間らしい生き方であるといえばそれまでですが、こうした傾向を持った方はかなり意識して論理的な思考をしていく努力が必要になります。
とくにコミュニケーション上からみて上の5つの印象をクライアントと接している上で相手に与えてしまうコンサルタントは致命的ともいえ、非常に損をしてしまうことになりますし、安心して仕事を依頼できるタイプとみなされない可能性すらでてくることになるわけです。
ロジカルシンキングな話しや文書の作成を常に心がける
とにかく日常的にロジカルシンキングをベースにして話をしたり文書を書く努力をすることがこの領域で一定のレベルを身に着けるための第一歩となります。
論理的に話すとか書くということはものごとのつながりを明確に示すことで、説明しようとする内容の論拠を明確にすることといえます。思いつきや話しに飛躍があったり何を言っているのかよくわからないという話し方というのはこのものごとのつながりをほとんど意識していないからで、まずこの部分だけでもしっかり考えて発言することが重要になるのです。また相手のいうことがじっくり聞けないというのも先方の話の内容を論理的に理解できていない現われの可能性が高くなりますから同様に要注意となります。
ものごとのつながりを明確にするということは、つまるところつながりというものを正確に理解することに起因するものであるといえます。論理思考を持ちたいと思うのであれば、まずこの一点に常に最大の注意をはらいながら様なことを考えてみるのが重要になります。
無意識のうちに話しをしたり書いたりすることをこの一点に集中してみますとこれまでとかなり異なる話し方や書き方というものを現実のものにすることができます。もちろん専門書を読んでこの領域の知見を補強することも重要ですが、すべてはこの努力をいかに継続的に出来るかにかかっているといえます。この視点で周辺を見回してみるとロジカルシンキングのできるコンサルは実にわかりやすい話や文書を取りまとめることができているものです。人に伝えて理解を高める技術でもあるのがロジカルシンキングといえるのです。
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