フリーランスコンサルにとっての最大のポイントはオポチュニティ確保
フリーランスコンサルタントを続けて行きますと、もっとも難しいと実感させられるのがオポチュニティ管理ということになります。大手のファームに勤務していれば、会社がいかに無駄なく働けるようにするかを複数の案件管理から常に考えてくれますから、遊んでいる時間というのはきわめて限られたものになるものですが、その案件自体を仕事をしながら常に獲得し、自ら最適化する作業をしていくのは実際にやってみますと非常に難しいことがわかります。ただ、冷静に考えて見ますとコンサルファームのシニアな役職者はみなどうやって案件を獲得するかの営業行為がもっとも重要な能力となっていることは間違いありませんから、フリーコンサルといえどもこの領域を避けては通れないのが現実の問題となります。
具体的にはどのようにすることが効率的なのかについて今回はお話してみたいと思います。
自分ひとりでオポチュニティパイプラインを確保するのは至難の業
コンサルの業務をクライアントサイドで行いながらその合間を縫って自ら営業をして自分の仕事が終了するタイミングにぴったりあわせながら次なる案件を獲得するというのは実施にひとりでやろうとするとかなり難しいことがわかります。
とくに複数の案件の中から最適なものを最適なタイミングで選んで行くというのは想像を絶するほど難しいものとなります。
フリーランスコンサルとして長く活動して行くためにはこの部分に独自の発想で実現するなんらかのソリューションが必要となるのは間違いない状況です。
どれだけ月額単価の高い仕事を半年とか9ヶ月程度取れたとしても、その後の仕事がうまく見つからずに3ヶ月遊んでしまうといったことがある場合には結局年収ベースで考えると低いものになってしまうということは現実の問題として常に直面することになります。
コンサルファームに勤めていたときに比べれば明らかに企業からもらえるコンサルフィーからの分け前が多くなったとしてもこの問題を解決しないことには常に仕事にあぶれるリスクと直面してしまうのがフリーランスコンサルなのです。
得意先との関係維持、同業のフリーランスとの協業や情報交換も重要
たったひとりだけでフリーランスとして活動していきますと、特定の会社に勤務していた時期と比べて入手できる業界内の情報というものはかなり限られることになります。
これをどうするかについては相当考える必要がでてくることになります。まず同業者と定期的にメールなどを交換することで常に情報共有する努力が必要ですし、場合によっては協業することで案件をまわしてもらう、逆に案件を紹介することで関係を維持するといった方法も必要になります。
また一度関係のできたクライアントの担当者などに情報提供できるようにする方法を考えることも重要になります。
CRMの世界で言われるように、新規の顧客を獲得するためには既存顧客のほぼ5倍のコミュニケーションコストが必要になります。
できるだけ余分なコストをかけないためには既存客とのつながりをいかに維持し、相談をもちかけられやすい状況にするかがかなり重要になるのです。
■案件を紹介してもらえるサイトはフリーコンサルの救世主的存在
こうした中にあって、フリーコンサルの案件サイトの活用は限られた時間の中で営業活動を行わなくてはならないフリーコンサルにとっては言わば救世主のような存在ともいえるです。
こうしたサービスをできるかぎり有効に利用することが重要になりますし、オポチュニティパイプラインを充実させるためには自らの力でも様々な案件を選択できるようになることが極めて重要です。案件が切れることを恐れるようになってしまいますと、必要以上に業務を受けてしまい、結局ワークライフバランスを大きく崩すことになりかねません。
このあたりにいかに早期に調整できるような仕組みを持つことが出来るかどうかがフリーランスコンサルとして長くやっていけるかどうかの分かれ道になることは間違いないようです。
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