コンサル会社の働き方改革
働き方改革が広範な業種で検討されるようになっていますが、コンサル業界も例外ではない状況です。
ただ、意外に決め手になるのが少ないのもまたこの業界の特徴でバックオフィスの業務改革は進んでも、プラクティスと呼ばれるコンサルタントの世界での働き方改革を実現するのはかなり難しいのが実情のようです。
■午後6時以降の会議をやめたアクセンチュアアクセンチュアでは江川社長に交代してから積極的にコンサルの働き方改革を実施しているようで、直近では午後6時以降の会議を全面的に中止しているようです。ほとんどのコンサル業務は受注しますとコンサル先に常駐しますから社内でミーティングを行うとなると夜間になるのがほとんどとなりますが、これをあっさり廃止するというのは大英断といえます。本来業務を受注する場合には一ヶ月の労働時間のすべてをクライアントが買うことはなくチャージはせいぜい80%程度になりますから、残りの2割は自社の業務のためにも使えることになるわけですが、実際にはクライアントに請求している労働時間とアサインされたコンサルの実労働時間い乖離があるのがこの業界の現実で、これをどう縮減させるかが大きな問題となっているのです。
設定労働時間内で業務を終わらせる工夫が必要
これはフリーコンサルにもいえることですが、1日平均8時間で週40時間、四週平均で200時間などをクライアントに買ってもらってしまいますと、実は大変がことが起こることが往々にしてあるのです。
たとえば報告書を作成するとなるとその業務外で行うことになってしまうことあほとんどですし、これまで何人かのチームでドキュメンテーションに対応していた場合にはある程度の分業もはかられていたわけですが、ひとりで対応するとなるとこの作業にことのほか時間をとられることになり、ある意味での持ち出し時間の業務が非常に増えることになってしまうのです。
また業界の商慣習として必要以上に過剰なクオリティを自ら課すコンサルが多いこともドキュメンテーションに想像以上の時間をとられることになってしまうのです。
ライトオフはなによりの損失
コンサル業界にとっては非常に深刻なのがITの実装業務を受注する際に発生するライトオフ、つまり想定以上に実装を完了するのに時間がかかることで発生する赤字です。
これは金額次第では担当したパートナークラスの首が飛ぶほど大きな問題ですが、ITの世界では当初の想定業務時間を大幅にオーバーランしてもとにかく実装を完了しなくてはならない状況があり、残業代もフルに支払われない等のかなりこまった問題が発生することがあります。
SAPなどのERPなどの実装は大体業務工定数を算定するソフトなどがありますから、よほど失敗のないかぎり大幅に実装時間がオーバーランすることはなくなっているのですが、金融系などでカスタムのシステム実装などを手がけると飛んでもない損失を招くことがあり、これが実はこの業界の働き方改革をもっとも阻害する要素なのではないかと思う次第です。
AIによる単純なプログラムの実装の代替などが本格的に使いものになれば、こうした問題はかなり解決がつくようになるものと思われますが、その一方でクラウドの普及がIT案件を大幅に減らすという逆の業界危機リスクも高まりつつあり、この先のコンサル業界の働き方改革は違う材料が顕在化してくることも考えられます。
したがって戦略コンサルとITの実装系コンサルの働き方に関する変化は大きく変わることになるのではないでしょうか。
やはりこの業界においても人にしかできない付加価値の高い業務に携わることができるようなることがコンサルタントしては非常に重要になりそうです。
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