最近仮想通貨への投資が異常とも思えるほど話題になってきていますが、この仮想通貨を支える技術となっているのがブロックチェーンと呼ばれる新たな仕組みになっています。
すでにコンサルティング業界の領域でも注目されるこの最新技術について今回はご紹介いたします。

■そもそもブロックチェーンとは・・このブロックチェーンはビットコインを開発した謎の人物とされるサトシ・ナカモトが発明したものといわれています。ごく簡単に説明すればブロックチェーンは分散型のコンピュータネットワークであり、中央集権的なシステムを置かずに信ぴょう性のある合意に達する方法を可能にする仕組みということができます。この分散型のシステムは世界中に点在するパソコンなどにデータを置くことで一か所にデータを置かないようにするため壊すことのできないネットワークを作ることができるのが大きな特徴でありメリットとなります。

これまではネット上での認証はクレジットカード会社や特定の金融機関など第三者機関が圧倒的な力をもっていたわけですが、ブロックチェーン技術をつかえばこうした第三者機関を一切通すことなく取引の合意を形成することができることになるため、売買の相手同士が直接取引できることから大きなメリットとなっているのです。これを利用すれば決済通貨として機能することから仮想通貨の世界では一大注目技術となっているのです。

ただしスケーラビリティのかなりの問題があることも判明

足元ではビットコインをはじめとする仮想通貨がバブル状態で、猛烈な価格の上昇を示現するようになってきていますが、秒単位で売ったり買ったりという投機的な利用に耐えられるような仕組みではないことから、肝心のトランザクションが停滞するという大きな問題が顕在化しており、コンセプトと理論的には非常に高い信頼性があるものの、利用ボリュームの爆発的な拡大にどのように対応してそのスケーラビリティを確保するかが現実的な問題になろうとしています。

これは今世紀に入ってグリッドコンピューティングという様々なコンピュータの空き容量を統合化することで大きな処理能力を発揮するといった発想と一脈通じるものといえますが、実際にはやはりスケーラビリティと確固としてパフォーマンスを常に一定以上に確保することに信頼性がないことから実際には普及しなかったのと同様の実用上の問題が明確になっており、さらなる信頼性の向上が求められるようになっているのが現状です。

仮想通貨以外の世界でも利用は可能

ブロックチェーンというとすっかり仮想通貨、またその投機的売買につながるものだけがイメージされがちですが、実はより実務的で役に立つ世界も確立しはじめています。
2017年にはマイクロソフトとアクセンチュアがブロックチェーン技術を利用したデジタルIDネットワークの構築を進めることで提携を発表しました。
これは官民コンソーシアムという形で推進されており、ニューヨークの国連本部で開催されたイベントでも両社がネットワークのプロトタイプを披露しています。

このネットワークの構築が現実のものになれば、世界中で実に11億人以上いるといわれる公的証明書を持たない人々が簡単に身分証明書を入手できることになり、基本的な人権を確保するという意味でも非常に大きな役割を果たすことになるといわれています。
ネットのデジタル社会になるとデジタル上で身分を保証する仕組みが必要になるわけですが、ブロックチェーンの技術を使えばこうしたサービスも世界中の人たちに提供ができるようになるのです。
両社はこのプロジェクトへの他の企業の広範な参加を呼び掛けており、プライスウォーターハウスクーパースやシスコシステムズなども既に参加を表明しています。

このようにブロックチェーンはその本質的機能を利用すればさらに様々な応用領域を見つけることができる状況で、単なる仮想通貨のプラットフォーム技術ではないところへの活用が期待されるようになっており、コンサルティングファームも深く関与する技術になっているのです。