PM,PMOにはプロジェクトの進捗を管理していく大きな責任が伴います。とくに年を跨ぐような期間と規模の大きなプロジェクトになればその進捗管理は非常に複雑多岐にわたることになります。
複雑プロジェクトはやり始めてから問題が生じるということもしばしばあり、費用的にもかさむ部分が大きくなるリスクを抱えることになりますから、この進捗管理はかなり重要な役割になります。そんなPM、PMOの進捗管理で注意しなくてはならないポイントを整理してみました。

■基本は日程管理が重要
そもそも大規模なプロジェクトをスタートさせる場合には全体の大スケジュールとともにサブプロジェクトごとの小スケジュール日程をあらかじめ確実に作成することが求められます。実際のプロジェクトスタートではこの日程とリアルな進行状況との間にどのようなギャップが生じているのか、あるいはオンタイムに進んでいるのかを常にチェックしていくことが重要になります。仮にギャップが現れた場合にはなぜそれが生じているのか、巻き返しが可能なのかといって原因究明と対策をその都度たてていくこともPM,およびPMOの大切な仕事となります。

小さなトラブルはタイムリーかつ適切に対応していく

プロジェクトマネージャーやPMOマネージャーはシステム構築の進捗管理をするとともにオンタイムがプロジェクトを勧めることで予算管理も行うことになります。
余分な時間がかかるということはそれだけコストがかかることなりますし、業務委託を受けて外部のコンサルやSI会社のプロジェクトマネージャーならばこの管理がプロジェクトが黒字になるか赤字になるかの大きな分かれ道になりかねません。
そのたびにプロジェクト上で発生するトラブルは小さなものでもしっかり把握し、その都度適切に対応していくことが重要になります。これができませんと実装するシステムの品質や納期といったものに重大な影響を及ぼすことになってしまうのです。リスクの芽は早いうちにしっかり摘み取っておくという心構えが必要になるのです。

■プロジェクトチーム内の人間関係にも十分に目を配る
実はITの実装プロジェクトでも一番難しいのが人間関係の問題です。
みなタスクをもってしっかり自分の領域を完結することができればなんの問題もなくサービスインにこぎつけられるはずなのですが、実際のプロジェクトでは、事前の見積もりが甘いとか品質管理に問題があるといったことが結構多く発生することになります。
しかしこれは殆どがコミュニケーションの欠落など人間関係の問題から生じることが多いものなのです。PM,およびPMOマネージャーはこうした領域にも気を配り、いかにプロジェクトが円滑に進むかを常にチェックし修正していく必要があるのです。

相互信頼関係をどう築くかも大きなポイント

またプロジェクトではとにかく厳しく対応していればいいというものではありません。プロジェクト内には外注メンバーもいれば、実際に実施に関わらない人間など様々な人間が関わることになりますから、相互の信頼関係をいかに作り上げてプロジェクトを円滑に進めるかが重要になるのです。
ミスを許さないという厳しい体制ばかりできあがってしまいますと、結果的に悪い報告が上がってこなくなったりお互いに責任を押し付けあうという非生産的なプロジェクトになっていってしまいます。
それよりもお互いを思いやって問題はチームでフォローしあいながらなんとか解決をしていくという信頼関係と結束力というものが必要になってくるのです。こうした雰囲気をいかに醸成することができるかもPMやPMOの腕の見せ所となります。納期に遅れが出始めますととかくプロジェクトチーム内は殺伐とした雰囲気になりますが、それでは難局を乗り切ることはできません。

ITという極めてシステマチックなものを扱うにもかかわらず結局プロジェクトは人と人とのつながりを重視することが成功につながる最大の要素になるのです。
PMやPMOマネージャーはこんな視点でプロジェクトの進捗管理にあたっていくことが肝要なのです。