コンサルティング業界はとかく横文字が横行しているものですが、この業界で実によく耳にするPMOとPMというのは非常に似ているような錯覚に陥るものの、その中身は全く異なるものとなります。
今回はこのPMOとPMについてそれぞれの内容についてご紹介してみることにします。

■PMOとはPMOとは、Project Management Officeの略号で、平たくいえばプロジェクトを支えるための組織体のことをいいます。このPMOは外資系企業などにはよくおかれる組織であり、プロジェクトに必要な資料の作成、プロジェクト自体の進捗状況管理などが主な仕事となります。したがってプロジェクトマネージャー・PMとはその役割は全く異なるものと考えるべきです。PMOはあくまでもプロジェクトをマネジメントする業務であり、プロジェクトそのものについて意思決定を下す役割を果たすものではないことは明確に理解しておく必要があります。

しかしこのPMOというは国内においてはITをはじめとするプロジェクトにかなり慣れている外資以外のクライアントの社内には存在しないことも多く、国内ではSIerサイドで人材を手配する業務にもなっているのです。
したがって仕事を探しますとPMO案件というのは意外に多く募集されていることがわかります。金額もそれなりに高いものが多く、これはこれで立派な業務として成立していることがわかります。

PMOのメリットとは

PMOはプロジェクト管理に精通する人材ですからそれまでの知見をもとにプロジェクトの最適なスケジュールの作成とリスク管理などを行うことができるようになり、なによりコスト管理といった事務的な要素でのカバー領域が広いのが大きなメリットとなっているのです。大きなプロジェクトには必要不可欠な存在がPMOのメンバーということになります。
PMOのメンバーにはプロジェクトのデータなどを収集して情報共有に務めるPMOアドミニストレータ、プロジェクトのスケジュール作成と進捗管理を行うPMOエキスパート、PMOチーム全体の勤務状況やプロセス管理といったマネジメントを行うPMOマネージャーなどが存在し、社内のプロジェクトの多さに合わせてその人数が決定されています。

PMとは

一方PMとはプロジェクトマネージャーの略号であり、PMはまさにプロジェクトチームの責任者のことを指します。コンサルティングファームではすべてのプロジェクト案件に必ずPMをひとりたてています。このPMはプロジェクト案件の内容、納期、規模、予算を把握し必要なエンジニアを集め、実際に開発の状況をマネジメントしそのすべてに責任を持つ仕事となります。エンジニアは外部の人間を利用することもありますので、プロジェクトに係わる人材すべての進捗を管理していく、きわめて重要で高度な仕事であるといえます。基本的にはITベンダーやコンサルティングファームではPMは自社の従業員を立てて仕事をさせていくことになりますが、実はこのPMもフリーランスで実績のある人間に業務委託して雇用するケースも多いのです。

とくに特別な実装経験を必要とするようなプロジェクトの場合、社内の未経験者よりも外部の有能な経験者を利用することも多く、フリーランスのPM案件といったものも調べてみるとかなり市場に出回っていることがわかります。

通常コンサル経験のある人間ならばPMのほうの仕事を探すことが基本となりますが、最近のようにクラウドを多用し、複数のクラウドの調整をとりながらプロジェクトを完結させるといった場合にはPMOもかなり重要な役割を果たすことになってきており、領域は異なるものの両方ともにやりがいのあり業務になっている状況です。
ITにおける実装プロジェクトは年々その内容や進め方が新たなものになってきており、PMもPMOも十分な知見をもった人材が登用されることが必須になってきているのです。