PM(プロジェクトマネージャー)に向いている人材とは
世の中を見まわしてみますと多くの企業でプロジェクトというものが盛んに行われていることがわかります。その責任者は必ずしもプロジェクトマネージャーとは呼ばれない方も多いようですが、多くの人達が同様の責任を負って仕事をされていることがわかります。
しかし同じプロジェクトの中でもコンサルティングファームやSI事業会社がクライアントと業務委託契約を結び、期日までに必要要件をすべて満たしたシステム等を完成させサービスインにこぎつけるのは国内で古くから言われてきた請負契約に極めて近いものがあり、よほどのことがない限り想定した人月を超えてクライアントに不足額を請求できるようなものではありませんから、余分に人手がかかったものはほぼすべてがコンサル手イングファームのライトオフ(持ち出し赤字)につながり、当該案件のプロジェクトマネージャーは時間と労働提供といった二重の面で猛烈な管理能力を強いられる存在となっていることは言うまでもありません。
こうしたコンサル業界やSI業界のPMに向いている人というのはどういう人材なのでしょうか?今回はそんなことについて考えてみることにします。
コミュニケーション能力の高い人間が必須
PMの条件という話をしますと多くの関係者から口をついて飛び出してくるのはコミュニケーションの能力の高い人材であることです。
プロジェクト業務の管理能力が一番上げられるかと思いきや意外な答えが揃ってでてくるのはなかなか興味深いことですが、複数の人間な期間限定で業務を行っているわけですから、PMの能力がいくら高くてもそれにかかわる人たちのモチベーションを上げて、ゴールに向かってバランスよく走らせなくてはならないことが実は大きな役割となっていることがあらためて理解できる次第です。
そういう意味では人の話を聞いて状況を理解し、それをまたチームにフィードバックして前に進めていくコミュニケーション能力が高いことが非常に重要になるわけです。
複数のことを並行管理することができること
嘘か本当かは定かではありませんが、聖徳太子が一度の10人話を聞き分けたなどという驚くべき話が今も語り継がれています。
さすがにPMは10人の話を聞き分ける能力が必要とは言いませんが、プロジェックト上ではクリティカルな部分はつねに一つだけではなく複数が存在して並行して動いているものです。優秀なPMはひとつのポイントだけに集中するのではなく、複数の問題を並行管理して前に進める力を持っている必要があるのです。たくさんの皿回しをして一つも下の落とさない芸をみせてくれる芸人さんがいますが、まさに傍で見ていますとこれに近い芸当をやってのけられるPMこそがかなり優秀な存在となるのです。
ただ、言うは易しですが、簡単にそんなことができるようになるのには相当な努力が必要となります。つねに幅広いポイントに目配り気配りができるようになることは非常に重要です。
■ストレスに強い存在であること
新しいSI案件などで、期間内に想定した人月以内で実装を完結し、その後もバグがなく運用開始できるというのは相当にストレスのかかるビジネスです。
ある意味もらっている給料からすると見合わないのではないかとさえ思う瞬間もありますが、こうした業務をやり遂げることに魅力を感じ、楽しんで前に進むことができる存在がPMには求められるのです。
特に不安や危機感を感じ始めてそれをひとりで抱え始めたら相当なストレスになることは間違いありません。ストレスに強いというのは何もストレスを感じることがない鈍感なタイプということでは決してありません。これをどう解消してため続けないかは非常に重要なポイントになってくるのです。気分を短い時間に転換できるとか、業務時間とプライベートのオンオフをしっかりつけられるといったことができるかどうかが大切なのです。
このような3つの条件をクリアできて初めてリーダーシップが発揮されることになります。
ただ、言うのは簡単ですが、プロジェクトマネージャーの現実はつねに問題に直面しながら前に進んでいく戦いでもあります。最初からベストプラクティスに簡単にたどり着けるわけではないこともしっかり理解しておくべきでしょう。
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