コンサルティングファーム内の職位と役割
コンサルティングファームはそれぞれの企業によって役職の名称などは異なりますが、比較的横の転職も多い業界であるため職位のレベルと役割というものは業界を通じてかなり似たようなものになってきています。
とくに外資系の場合はかなり似ており、それぞれの職位、役職で果たすべき役割も明確になっているのが特徴です。
■アナリストレベル
アナリストはアソシエイト、リサーチャーなどとも呼ばれる職位ですが、要はビジネスコンサルファームに新卒として入社したときに与えられる職位のことになります。このアナリストはその名のとおり情報収集や分析、資料作成が主な業務となりますし、IT実装領域の多くなったビジネスコンサルファームでは簡単なプログラミングやコーディングもアナリストの仕事になります。
新卒で入社した社員は文科系でもいきなりプログラミングをやらされて面食らうことが多いようですが、今ではそれが当たり前になってきているのです。
同じコンサルファームでも財務、アドバイザリー系のファームのアナリストはバリューエーションのたえの有価証券報告書からの情報収集や財務モデル分析をアナリストが行うケースもあるようで、内容は様々です。
ある意味この2ー4年ぐらいのアナリストの期間でコンサルの向き不向きがはっきりして企業から離脱していく向きもでる時期といえます。
コンサルタントレベル
コンサルタントは新卒で入社して3年目あたりからプロモーションにより始まる職位となります。クライアントのプロジェクト実務作業のほとんどを行うのがコンサルタントで業務のまとめ役としても機能することになります。
このあたりになるといよいよセルフマネジメント能力が必要になってくる時期でもあり、優秀な人材は目立つようになりマネージャーへのプロモーションも早くなります。顧客との現場での折衝能力といったものも重要視されはじめたのがこの職位レベルと言えるでしょう。
■マネージャー
マネージャーはプロジェクトを現場でまとめ、その遅滞ない進行に責任を持つ職位ということになります。各企業によってプロモーション時期はまちまちですが、速ければ入社5年、30歳手前からマネージャーへ昇進する企業お少なくありません。マネージャーはプロジェクト管理、顧客との折衝、予算管理を担当することになります。これは様々なコンサルファームが存在してもほぼ同一の職務要件となってくるようです。
■シニアマネージャー
マネージャーの上にはシニアマネージャーという職位を設定する企業も多く存在します。シニアマネージャーはパートナークラスをサポートする業務となってきており、単に与えられたプロジェクトをうまく回すだけではなく次の仕事をとってくるセールス的役割も担うようになっていきます。
やはり仕事をとってこれる、年間で一定のフィーを稼げる人物はここからパートナークラスへのプロモーションも早くなります。シニアマネージャーから先は専門職のアソシエートパートナーのような役職へと変化していく人材も見られるようになります。
パートナーレベル
最近パートナーレベルは各企業でかなり呼び名も異なり、ディレクター、ヴァイスプレジデント、プリンシパルなどいろいろですが、パートナーの仕事は大きくわけて二つです。一つは顧客開拓と営業を行い年間5億とか10億といった安定的な収益を得られるオポチュニティパイプラインを作りそれをしっかりと現実のものとすることが重要になります。
プロジェクト管理能力が高く、顧客からの信頼が厚く早くにパートナーレベルにプロモーションされても売上を確保できないと意外にあっけなくコンサルファームを去っていくケースもあることからなにはともあれ稼げる人物であることが生き残りの最大要件となります。
さらにもう一つの役割はコンサルファーム自体の経営です。シニアなパートナーになりますと個別の案件への関与度もさることながら経営戦略とどのように立てていくかが非常に重要になってくるのです。コンサルファームの売り上げ規模は人数次第のところがあります。一定の人数で翌年売上が倍増することはありません。常に雇用計画と売上予測、それを確固なものとするセールスが重要になってくるのです。
このようにコンサルファームは各職位により様々な能力が要求されますし、パートナーレベルになっても常に高い能力を要求されるなかなか厳しい仕事といえるのです。
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