PMOやPMという仕事を続けていこうとする人たちにとっては実績以外に公的に認められる資格や評価というものが重要になるのは言うまでもありません。
とくに海外で高く評価されている知見を有することは少なからずプラスになると考えられるものです。そのひとつがPMBOKの知識ということになります。今回はこのPMBOKとその国際資格となるPMPについて触れてみることにします。

■PMBOKとはそもそも何か
PMBOKはProject Management Body of Knowledgeの略号で、プロジェクトマネジメントに関する知識や具体的手法についてまとめられた手引きとなるものです。
これは30年ほど前の1987年にPMI・Project Management Body of Knowledgeという名称の非営利団体がとりまとめたものでこの団体は米国を本拠地としています。日本では1998年にPMIの日本支部となるPMIJが設置されたことからこうしたノウハウが急激に広範に広まることとなっているのです。
PMIの取りまとめたA Guide to the Project Management Body of Knowledgeは世界的に広まることとなり、今ではこれが事実上の世界標準として機能するようになっています。このガイドブックはほぼ4年に一度程度改定されており、現行版は2017年に第6版の改定をうけたものです。
業務の標準化というものを重視しする米国の社会ではPMOの規範としてこのガイドブックは非常に重視されるようになっており、この知識を有していることがPMOもしくはPMの一つ評価のクライテリアになっていることは間違いありません。

PMBOKの意義について

PMOとかPMの役割などについては様々な書物が登場していますがPMIがこれを正式に体系化したという意味では産業界の共通の内容として機能することになっており、非常に高い評価を受けるべきものということができそうです。
PMBOKはプロジェクト管理を具体的に10の管理エリアと5つのプロセスに定義しており、この領域の共通概念としてワークするようになっています。これがプロセスマネジメントという視点を進める原動力となっていることは間違いなく、どのような内容であれプロジェクトを進める上で極めて重要なものになったことは間違いありません。

PMBOKガイドに基づいて実施される国際資格がPMP

PMBOKをいかに理解しているかを示す一つの資格となっているのがPMP/Project Management Professionalです。これは上述のPMI本部が認定しているプロジェクトマネジメントの国際資格であり、PMPの試験はPMBOKのガイドブックの内容に基づいて実施されます。
この資格は、プロジェクトに関する取り組み方や経験といった部分も重視しており、一定期間に常に継続認定が義務付けられていることから、一度取得したら永年で利用できるという資格とは一線を隔するものになっています。

■結論からいえばもっていたほうが有利な資格
業界団体が提供する資格の中には保有していてもあまり意味のないものが多いのも事実ですが、PMPに関しては国際資格としてかなり広範に認識されるようになっており、企業内でPMOなりPMを雇用する時のまず基本的な資格になっていることは間違いない状況です。
PMP資格を保有していないとPMとしてやっていかれないというほど深刻なものではありませんが、まず履歴書をみたときにこの資格を保有しているかどうかには必ず選考者の目が行く材料となっていますから、この領域を専門職として行かれる方やフリーランスの場合には正当な評価を受ける意味でもPMP資格を有しているほうがお得といえそうです。資格まで取得しなくても少なくともPMBOKの中身についてはしっかり理解しておきたいところです。