フリーランスで働くことを考える場合、気になるのはフリーランスと正社員はどちらが得かという問題です。
実はこの問題は人によってそれぞれ条件が異なりますから一概にフリーランスがいいとか正社員がいいとか断定することはできにくいのですが、いくつかのポイントではどちらが得かがはっきりする部分があることは事実です。今回はそんなポイントについてご紹介していくことにします。

■収入面ではフリーランスに大幅拡大のチャンスがある
まず気になる収入の問題ですが、企業で働いている状態を比べれば労働分配率はあきらかにフリーランスのほうが高くなりますから、クライアントから同額のフィーをもらえるのであればフリーランスのほうが実入りは格段に高くなるといえます。
とくにコンサルティングの領域では特別大きな投資が必要ではなくパソコンと本人が存在すればいきなりビジネスを始めることができますから、コスト効率も高く、切らさずに仕事ができれば確実に収入を増やすことが可能といえます。

仕事としての楽しさもフリーランスに軍配があがる

正社員として企業内で働く場合には仕事の選り好みはできませんが、フリーランスで一定の成果を発揮し自ら仕事を選択できるようになれば、得意分野のみの業務をこなすこともできますから、正社員でやっていたときよりも面白い仕事ができるチャンスも格段に高まることになります。
もちろん正社員の中でも優秀な人材ならば自分の得意とする領域で積極的に仕事をすることができる可能性が十分にありますが、一般論としてはフリーランスに大きなインセンティブがあるといえます。

問題は病気やケガ、不測の事態

ここまで読むとフリーランスがバラ色の仕事の形態に思えてしまいますが、実は深刻な事態に陥るのは特別な状況が襲ってきたときになります。
まず働く本人が病気やケガをしてしまった場合には正社員のようにチームのだれかが助けてくれてなんとかしのいでいくということができませんから、すべては自己責任となり、働けなくなった途端に収入が途絶えてしまうという大きな問題に陥ることになります。
もちろん正社員だから事故や病気でも安心というわけにはいかないのが昨今の企業状況ですが、深刻な状況に陥るまでのリードタイムが残されているのは明らかに正社員のほうになります。

また怪我や事故でなくても東日本大震災のように広域的に壊滅的なダメージをクライアントが受けてしまった場合には、受注したはずのプロジェクトが 延期や中止ということになるケースもあり、実際にこの大震災後には仕事がキャンセルになるという深刻な状況に直面したフリーランスコンサルタントも少なくないようです。このように不測の事態というのは本人の健康の問題以外のところからもいきない顕在化してくることがあるという点は予めしっかり覚えておく必要があります。

とはいえ、世の中では多くの業種においてフリーランスとして活躍している人を大勢目にすることができる状況で、すべて悲観的な状態ではありませんが、あきらかに正社員として働くよりも高まるリスク局面があるというのは厳然たる事実といえます。
したがってまさかの時にも生活ができるように 一定以上の蓄えをしておくなどフリーランスならではの準備というものを怠らないようにすることも重要になります。人生に降りかかるリスクはフリーランスだけが高いものではありませんが、より一層注意をしておくことと万全の準備をしておくという姿勢が必要になることは言うまでもありません。
フリーランスと正社員のどちらがお得かと言う問題は働く方自身の価値観やメリットのプライオリティ次第で結構大きく変化していくことになるのではないでしょうか。