フリーコンサルでも特定領域に精通し、しかも業界内で業務提供の需給がひっ迫し続けるような部分で大きな能力を発揮する人は、かなり長期に渡って安定的な仕事と収入を得ることができる存在といえます。
フリーコンサルとしても十分にやっていくことができる存在であることは間違いありません。
しかし過去30年あまりのITの世界とここから先のITや業務革新の世界は全く様相が異なろうとしており、大手のコンサルティングファームにしても顧客に提供すべきケイパビリティが劇的に変化しようとしているときに、フリーコンサルがかたくなにこれまでのビジネスモデルやプロセスだけにしがみついて業務を遂行していてもどこかの段階で猛烈な時代遅れに陥るリスクを抱えていることだけは相当意識していかなくてはならない時間帯に入りつつあります。

これはフリーコンサルのみならず大手で働いているコンサルも同様のリスクを抱えていますが、企業内のコンサルの場合はスキルトランスファーや会社全体が新規事業に取り組むなどのケイパビリティ取得のトレーニングを行うことにより新しい知見、ノウハウといったものを手に入れられる可能性がある点はフリーランスとは大きく異なる部分となるのは間違いなさそうです。

フリーコンサルは最新のテクノロジーをいかに吸収するかが急務

したがってフリーコンサルも足元でしっかり稼げているから安心と高をくくらずに常に先のことを意識していく必要がありますし時代の変化というものに敏感になり少しでもその中身を取り入れる努力を率先できるかどうかが10年後に市場に生き残っていられるかどうかの大きな分かれ目となることを認識しなくてはなりません。
AIにせよRPAのようなロボティクスソリューションにせよ実装経験はまだまだ限られた人だけに委ねられているだけに業界内の大手企業やコンサルファームに所属していてもなんら接触機会に恵まれないという状況はフリーコンサルと大して違わないともいえます。

それだけに自分からどうやってそうした新ビジネス、トレンドに食いついて情報を集め知見を高めることができるか真剣に考えることがここからのフリーコンサルにもっとも求められる事と言えるのです。この先10年あまりの市場の劇的変化に取り残されると、ややもすれば伝統芸を培う特別な職人のような世界になりかねないのがフリーコンサルの未来といえます。

自ら新しいトレンドや技術にどうやって接近するかを熟考すべき

日常的にルーティン化したコンサル業務やSIの実装業務に忙殺されていますとどうしても新たなトレンドや技術を吸収する機会に恵まれないことになりますが、ここからはフリーコンサルと言えども新たな動きにどう接近し、知見を高めるかを真剣に考える必要があります。
外部のワークショップに時間を割いて出かけてみるとか、ネット上でのフォーラムに参加するとか方法は様々に考えられますが何もせずに手をこまねいているとここ1年2年でも周辺のトップランナーに大きく溝を開けられることになりそうで本当に足元からの努力が必要な時期に差し掛かっているとえます。

逆に苦労しても知見の先行者的ポジションを得ることができれば実に簡単に新たな業務オポチュニティを得る機会に恵まれることになるわけですから、ここは踏ん張りどころです。
こうした状況の劇的変化に既に気づいているフリーコンサルももちろんいるようですが、多くの人たちは既存のビジネスの延長線上のことしか考えられていません。ここで次のステージにシフトできるかどうかが次世代の市場に生き残れるかどうかのまさに境にあることは十分に肝に銘じるべきでしょう。