ITコンサルタントという言葉は実によく聞くものですが、実際にはどんな仕事をするのでしょうか。今回はこのITコンサルタントにフォーカスして仕事の中身をご紹介することにいたします。

■企業のIT戦略を提案・構築する重要な役柄
近年、企業では事業をスタート、継続、拡大するためにいかなるIT戦略をとっていくかが非常に重要な課題となっており、業態によっては適切なIT戦略を確立し、構築することが経営戦略の根幹をなすようになってきているのです。そういう意味ではITコンサルタントはクライアント企業にとってきわめて重要な参謀となっていることがわかります。
ITコンサルタントが手掛ける内容は事業戦略に基づいたシステム提案から開発、クラウドなど新たなサービスを包括的に取り込み最適化するといった俯瞰的戦略構築と実現、業務効率を高めるための新たなシステム導入とチェンジマネジメントなど実に多岐にわたるものになってきています。

特にIoT、5G、AIなどこれまでになかった領域のテクノロジーを駆使したビジネスモデルの開発などかなり高度な案件も増えてきており最新の知見と高い問題解決能力が求められるようになっているのです。

ITコンサルタントの実務内容は実に様々

 ITコンサルタントがカバーする業務フローはクライアントの業界、業態によっても大きく変化しますし、個別の案件によってかなり異なるものとなります。
これまでのビジネスではシステム導入がもっとも多い業務となっており、こうした案件も足元では非常に多いのが実情です。システム設計や開発から実際の動作環境の設定、プロセスの改訂などITとシステムインテグレーションにかかわるすべての領域の作業にITコンサルタントは従事していくことになります。通常ITコンサルタントは一人ではなくそれぞれの領域のスペシャリストとチームを構築することで大きな能力を発揮することになります。ITコンサルティングチームは要件定義書の詳細を作成したり動作環境のチェック、システムのプログラミングやテストに従事するエントリーレベルのアナリスト、さらに要件を整理し開発譲許うの進捗管理を行うコンサルタント、その上に全体プロジェクトの総括的役割を発揮するマネージャーにより構成されることになります。

ITコンサルティング企業によってはさらに間に段階的な職位を設けているケースもあります。
SI企業に勤務しているシステムエンジニアなどはキャリアパスとして途中からITコンサルタントに職種変更するケースもありますし、ITコンサルティング企業に入社すれば最初からITコンサルタントとしての道を歩むことになるのです。

ITのクラウド化、AIの進展で求められる知見も非常に幅広くなっている

近年SI事業はすでに存在するクラウドソリューションをどう組み合わせてパフォーマンスを発揮するかといったことが重要になってきていますし、ビックデータの本格的な活用という視点では全社的に効率性の高いデータウェアハウスをどう構築するかといったことも大きな課題になっています。
さらにRPAやIoTを利用した新規事業などこれまでITコンサルタントが関わってこなかった領域への高い知見を求められるようになってきていることから、従前のIT企業での経験以外のばっくグラウンドからこのビジネスに参入する人も多くなりつつあります。
今後はより多様な人材がITコンサルタントとして大きな力を発揮する時代が到来することが容易に予想される状況です。そういう意味ではITコンサルタントは大きな変革の時期にさしかかったビジネスであるということが言えそうです。